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2011年 3月の園だより
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子どもさんが卒業或いはこの1年を終了なさるにあたり、保護者の方に素晴らしい餞の言葉があります。それは、福井県のつぼみ園園長 海道洋子先生が2月19日に行われた「子どもの発達と遊びを大切にした豊かな保育」の講演で述べておられた言葉です。
1)抱きしめて、下に降ろして、ほっといて
お母さんの中には、子どもが小さいからとか、時間がかかるからと言って、子どもにさせず自分でしてしまう方がおられるかと思います。しかし、子どもは、お母さんにしてほしいのではなく、「ぼく(わたし)が出来るようにお手伝いして」と心の中で叫んでいます。
子どもの出来ることを奪ってはいけませんが、ここで言う「ほっといて」は無関心、放任ではなくて、子どもが十分出来るように準備して、後は見守ってくださいと言うことです。よ~く見て、どこで困っているのか、手伝いのポイントを一言だけかけてください。ゆとりある「待ち」の姿勢が子どもを伸ばします。
その際、子ども自身の進歩を認め、他の子と比べたりしないようにすることも大事です。
2)ハグ(抱っこ)は百薬の長なり
これは、お母さん方が経験しておられ、何も説明することがありません。楽しい時、嬉しい時、悲しい時、体調がすぐれない時、子どもは抱っこを求めてきます。何も語らなくても抱っこしてもらうことで、全てが解決します。まさに「百薬の長」です。
保育園やあやめ組でも同じです。私の顔を見るや、駆けて来て、胸の中へ飛び込んで来る子がいます。それを見て、我も我もと後に続いて来ます。時には同時に3人を抱きしめたりしています。それが終わると安心してそれぞれの遊びに散っていきます。
短大生のお子さんのお母さんから「子どもが自分を信頼してくれていないと批判する」相談を受けた時も、ハグを薦めました。「私より体が大きいのに」とたじろいでおられましたが、「頭を抱えてあげるだけでもいいですよ」ともアドバイスしました。
3)千回、千五百回言葉を聞くと、それが子どもの心に入っていく
0歳児や1歳児のお子さんの場合、最近のお母さんの中には、核家族化で子育てを伝授してもらえず、抱っこしてミルクを飲ませる時に、子どもと目も合わせずメールをしたりテレビを見たりしながらする人を見かけるようになったということです。
食事の時には、必ず声をかけながら「おいしいね。これ人参だよ。」とか、沐浴の時にも「お手々洗うよ。今度は首だよ。」と必ず声かけをします。千回、千五百回言葉を聞くと、それが子どもの心の中に入っていきます。
おもちゃや絵本に関心を持つ頃になると、おもちゃを見せに来たり、読み聞かせを求めたりします。この要望に応えているか否かで、言葉の習得や親子関係に差がでてきます。
保育園やあやめ組に顔を出すと、ご家庭と同じように、おもちゃや本を何回も見せに着たりする子がいます。必ずおもちゃの名前や色の名前や用途を言ったり、絵本を読んだりすると、嬉しい表情や安心した表情を見せて言葉を繰り返してくれます。
小学生以上になると、ご両親の和やかな関係や、ご両親から聞く心あたたまる話や優しい口調がお子さんの人柄に大きな影響を与えます。
(一部、講演に参加した職員の報告書を参照)
園長 野田 武