2025年5月の園だより

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2025年 5月の園だより
2025年5月23日
乳幼児のときから探求的な学びを実践
 4月の園だよりで、県内の企業は入社式で、激動する変化に対応できる力、即ち、『課題発見解決型能力』を求めていると紹介しました。
 全国の小中高でも、数年前から、探求的な学びとして、できる・わかることだけでなく、子ども自らが問をもって課題を解決していく探究的な学び(inquiry learning)が求められています。(この段落から以降は、学習院大学 文学部教育学科 秋田喜代美教授の『私幼時報』2025.5を参照にしてまとめてみました。)
  
ジョン・デューイ(教育学の分野において「探求」の重要性を指摘し、その理論化を図った研究者・哲学者、米国1859.10.20 ~ 1952.6.1)は、次のように述べています。

 保育者が「探求的な学び」を実践するためには
 ① 開かれた心がまえ(open-mindedness)
 ② 誠心誠意の心遣い或いは専心的興味(whole heartedness, absorbed interest)
 ③ 責任感(responsibility)

の3方向が態度として備わっていなければなりません。

1)子ども自身の探究的な心がまえ
 「心が開かれている」ということは、子どものような態度の保持を意味している」ということですが、子どもたちこそ、「探求という心がまえ」を本来的にもっています。
 子どもは周りをよく観察することで、驚いたり動揺したりしながら、気づきや観察された事実とそれまでに観察した事実を子どもが自ら結びつけていくことで観念や仮説をもち、そのものに関わろうとしたり、次の段階へと探索探求を進めたりします。そして、遊びの中での探求を通して、子ども自身が育ち、力を伸ばしていくのだとジョン・デューイは指摘しています。

2)友だちと一緒に探求の共同体(クラス)の創出
 このように、探求は子ども一人ひとりの興味・関心から生まれますが、それを友だちと共に見つけたり、心を寄せることで広がり、「探求の共同体(コミュニテイ)」を創り出したりすると考えられています。

 ブルース & ビッショプ(2002)は、「探求を通してのコミュニケーションと知識構築の過程」という循環図を表し、それによりますと、どのような内容でも、子どもなりに質問し、調査し、自分なりに何かを創造し、友だちと議論し、振り返る省察という探求過程を経ながら、探求活動を深めていくと述べています。そして、子どもは現実の状況に即して意味のある課題に自ら取組むことを通して「学び続ける探求者」であり続けると指摘しています。
 そして、クラス集団があるから、探求するというよりも、探求過程を通して、皆がそれぞれの良さを認めて、探求のコミュニテイを作っていくのだと述べています。

 今回は、当園の探究的な学びを、二人の学者の論考より紹介してみました。
かたかご幼稚園 かたかご保育園
 園長 野田 武



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