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プチトマト事件
こんにちは。新石です。
いやー今日は随分と蒸し暑くなりましたねー。
梅雨らしいといえば梅雨らしいのですが……
汗かきの私には、ちょっとつらいお天気模様でございます。
さてさて、本日の話題はと言いますと。
プチトマト事件……。
今朝一番、職員室に暗い顔で入ってきたのは
年少組の担任の先生。
「悲しい事件が……。」
「ど、どうしたんすか?」
話によると、なんでも年少組のベランダで育てていたプチトマトがあったそうです。
みんなで育てて、やっとプチトマトが4つ実ったそうです。
さあ、この4つのプチトマト。どうする?
どうやって食べようか?
食べるなら、どうやって分けようか?
そんなことを話題に、まさに今日、『プチトマト会議』を開こうと
先生は、思っていたところだったそうで。
その矢先に起きた悲劇……。
「カラスが実ったプチトマトを食べちゃったんですよ!!」
何と……。
先生の話によると、プチトマトが育つまでの間、遊びの時間にもプチトマトを眺めて
実りを楽しみにしていた子もいたそうです……。
2つの鉢のプチトマトには、それぞれ『のっぽくん』『ちびちゃん』とネームが……。
何と……名前までつけて可愛がっていたんですねぇ。
ベランダには、無惨にも食い散らかされたプチトマトの残骸が……。
カラス……食べるなら、せめてちゃんと食べていけよ……。
「あああー!もうー、カラスめー!」
お怒りのご様子の先生。
毎日、プチトマトを可愛がる子どもたちの様子を知っている先生だからこそ
カラス憎しの気持ちも、さぞ大きいことでしょう。
ベランダにネット等をかけておけば良かったでしょうか。
人がいなくなる夕方から夜の間は室内にプチトマトを入れておけば良かったでしょうか。
先生に私は、そう言いました。
「そうですねー。カラス対策しておけば……。みんな、楽しみにしてたのになぁ……。」
残念さと悔しさの表情を浮かべる先生に私は、ふと、こう言いました。
「先生、これは新しいチャンスですよ。カラスがトマトを食べた。
それは、子どもたちにとって、とても悲しいかもしれないし、ショックかもしれない。
でも、じゃあ、残ったトマトをどうやってカラスから守るか。
今日のトマト会議の議案が生まれましたねー!」
「そうですねー。みんな、どんな反応するかなー。」
プチトマトをカラスに食べられたことは、確かにショックだろうし、悲しいことでしょう。
無事、育ったプチトマトをみんなで食べるのは、それは楽しいことでしょう。
生き物を育てることも同じです。
生き物を可愛がることは、とても素敵なことです。
目を輝かせて生き物とふれあう子どもたちの表情は輝いています。
しかし、私たちは子どもたちをプチトマト農家として育てたいわけじゃないですし、
動物園の飼育員を育てたいわけじゃない。
私たちは、子どもたちに上手く育てるテクニックを教えたいわけじゃないのです。
生き物、植物を育てることは、上手くいって当たり前の世界じゃないのです。
工夫したり、考えたり、知識を得たりしないと上手くいかないのです。
大切なもの、限りあるものだからこそ大切にしないといけない。
努力しないといけない。工夫しないといけない。ー
今回の悲しい出来事は、そういうことを学ぶチャンスだと私は思います。
食べられた4つのプチトマト。
君たちの犠牲は、年少組の子どもたちに何を伝えてくれるでしょうか。
願わくは、残ったプチトマトの実が、子どもたちに笑顔をくれますように。
カラスあっちいって。
それでは、また。
| 2011年06月21日(Tue) 12時47分 | 投稿:かたかご幼稚園 | カテゴリ: ある日の出来事 | コメント(0) | ▲TOP |
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